1. TOP
  2. 事業概要

事業概要

新潟基地の概要

新潟市の北東約16キロ、新潟東港の北端に位置する日本海エル・エヌ・ジー株式会社新潟基地。
日本海に面し、豊かな自然に囲まれた広大な敷地には、LNG(液化天然ガス)の受入れ・貯蔵・供給のための設備が効率よく配置されています。

1973年8月、通商産業省(現 経済産業省)は、エネルギー源の多様化と公害対策のため、LNGの導入構想を提唱しました。そして5年後の1978年8月、当社は日本海側初のLNG基地として、地域経済の発展や環境保全だけでなく、日本海時代への起爆剤としての役割を果たすことを期待され、新潟県、北海道東北開発公庫(現 日本政策投資銀行)および東北電力株式会社などの一般企業が出資した第3セクターとして設立されました。以来、エネルギーの長期安定供給という社会的責務を担い、1日も休むことなく操業を続けています。ここから送り出されるLNGは、電気や都市ガスなどに姿を変え、皆さまの生活を支え続けています。

LNGとは

LNGとは、Liquefied Natural Gas(液化天然ガス)の略で、メタンを主成分とした天然ガスを冷却し液化した無色透明の液体です。
天然ガスは、太古の動植物の死骸が地中で圧力と熱を受け、長い歳月をかけて変化したものと考えられています。
天然ガスは約マイナス162℃という極低温まで冷却すると液体になり、気体の状態に比べて体積が約600分の1に減ります。この性質が天然ガスの大量輸送、貯蔵を可能にしています。
天然ガスは産出地で液化され、専用のLNG船によって運ばれます。
当社は、世界中に豊富に存在する天然ガスのうち、インドネシア、マレーシア、カタール、オーストラリア、ロシア、およびアメリカで産出されたものを受け入れています。

クリーンなエネルギー

天然ガスは他の化石燃料(石油・石炭)と比べて、燃焼時の二酸化炭素の排出量が少なく、液化する過程で不純物が取り除かれるため、燃焼時、硫黄酸化物やばい煙は発生しません。
また、LNGを気体の天然ガスに戻すには、LNGを流している気化器の外部に海水をかけるだけですので、水質汚染の心配もありません。

安全なエネルギー

気化したガスは空気の約半分の重さしかないため、すぐ上方へ拡散し下へ溜まることはありません。
LNGは空気にふれるとすぐ蒸発し、空気中の水蒸気が冷やされて霧状になり確認しやすくなります。

LNGの輸送ルート

海外からの海上輸送ルート

LNGを産出国から新潟基地まで輸送するLNG船は、全長:約300m、総トン数:約10万トンで、一回の航海で約130,000立方メートルのLNGを輸送できます。これは、都市ガスとして使用した場合、約10万世帯が1年間使用できる量に相当します。

別ウィンドウに拡大表示

産出地 新潟基地までの距離 行程
マレーシア ビンツル 片道約 4,600km 片道約 6日間
カタール ラスラファン 片道約 12,000km 片道約 13日間
オーストラリア アシュバートン・ノース 片道約 7,500km 片道約 9日間
ロシア プリゴロドノエ 片道約 1,200km 片道約 2日間
インドネシア トゥルック・ビントゥニ 片道約 5,700km 片道約 7日間
アメリカ合衆国 キャメロン 片道約 17,000km 片道約 30日間

モス型

メンブレン型

LNG調達先の多様化とその対応

従来、お客さまが調達されるLNGは、長期プロジェクトの締結によるものが主流でしたが、より安定的かつ安価なLNG供給を目的として、LNG調達エリアの多様化やLNGスポット契約比率の拡大が進んでおります。

お客さまの長期プロジェクト以外のLNG調達先(2019.3末現在の当社受入実績)
※再出荷(リロード:他国から受け入れたLNGを再度別の国に輸出する)も含む
アジア 韓国・ブルネイ・イエメン・オマーン・パプアニューギニア
アフリカ アルジェリア・ナイジェリア・赤道ギニア・エジプト・アンゴラ
ヨーロッパ ノルウェー・フランス・スペイン・ベルギー
アメリカ ペルー

産地や性状の異なるLNGを同じ一つのタンクに受け入れると、ガスが大量発生する恐れがあることから、当社では8基あるタンクを適正に運用し、払い出しを行う「タンクシミュレーション」により、LNG調達先の多様化に対応しております。

LNGタンク設備

  1. No.1~6タンク(計52万kl):LNG船から直接受入可能
  2. No.7~8タンク(計20万kl):No.1~6タンクからの移送により間接的に受入可能

別ウィンドウに拡大表示

LNGタンクの運用方法について(タンクシミュレーション)

  1. ラインブレンド運用⇒異種LNGの受入に対応密度差が大きいLNGの受入を頻繁に行う期間中は、6基ある受入タンクを軽質LNG受入用と、その他LNG受入用にグループ分けして受入・貯蔵します。LNGタンクから気化器までの配管系統もグループ分けして、払出を行うときに軽質LNGとその他LNGを混合します。
  2. タンクブレンド運用受け入れるLNGの密度差がさほど大きくない期間中は、受け入れるLNGをタンク内で混合し貯蔵します。

LNGの用途

発電


東北電力株式会社 東新潟火力発電所
新潟県を含む東北7県、国土面積の約21%を占める広大な地域を供給エリアとする東北電力株式会社。日本海エル・エヌ・ジー新潟基地からLNGが発電用燃料として、隣接する東北電力(株)東新潟火力発電所等へ送られています。LNGは発電用燃料の柱として欠かせないエネルギー源となっています。

都市ガス


北陸瓦斯株式会社 東港工場
LNGは、都市ガスとしても広範な地域で利用されています。パイプラインは新潟県内の他に福島県や山形県、仙台新港まで伸びております。また、LNGのままタンクローリーによっても福島県、山形県や秋田県などの各都市に運ばれています。

冷熱利用

マイナス162℃という極低温のLNGから得られる多量の冷熱エネルギーも、有効に利用されています。

液体窒素と液体酸素の製造


日本エア・リキード合同会社
お客様から送られてきた高圧窒素ガスを熱交換器に通すと、約マイナス150℃に冷却された液体窒素になり、これがお客様の空気分離装置に送られ、空気を冷却して液体窒素と液体酸素が製造されます。

ページ上部に戻る